B/Lの英語の記載項目の意味について

今回は、貿易取引で扱う重要な書類であるB/L(Bill of Lading)、日本語で言う「船荷証券」についてご紹介します。

大竹

一般的なB/L(ビーエル)に初めから印字されている記載項目について、しっかり理解できているか、この機会に確認してみてください。

目次

B/Lに印字されている英語の記載項目の内容

B/Lには、誰から誰へ、どこからどこへ、何という船で、何を運送するのかなどの情報が記載されています。
そもそもB/Lとは、船会社から輸出者に対して発行されるものです。
そして輸出者から輸入者へと渡り、貨物の引換証となる重要書類でもあります。

初めから印字されている記載項目、例えばShipper、Consignee、Port of Loading、といった言葉は、貿易実務の経験を積めば積むほど読むことが少なくなると思います。
しかし今回は、あえてその一覧から見ていきましょう。

なぜなら、B/Lに印字されている記載項目は、貿易取引で交わされるメールや文書によく出てくる英単語も多いからです。
そのため、普段の業務では慣れてくるほどに必要な部分だけを読むようになっていきます。
ここで改めて、B/Lという書類に何が記載されているのか、知っておくことも大切です。

では、B/Lを上中下の三分割にしてご紹介しましょう。

B/Lの上部の記載項目について

B/L上部の記載項目は、主に以下の内容です。

1:Shipper 「荷送人」
2:Consignee 「荷受人」
3:Notify Party 「着船通知先」
4:Pre-carriage by 「貨物の内陸運送手段」(船積み港まで)
5:Place of Receipt 「貨物の受取地」
6:Ocean Vessel 「本船名」
7:Port of Loading 「船積港」(仕出し港/積み地)
8:Port of Discharge 「荷降港」(仕向け港/揚げ地)
9:Place of Delivery 「貨物の引渡地」
10:Final Destination (for the Marchant’s reference only) 「最終仕向地」

また、ここに「Received By」と記載されている場合は「船積み式B/L」、「Shipped on Board」の記載がある場合は「受取式B/L」を意味します。

ちなみに、日本ではコンテナ船で輸出する場合、輸出者は「受取式B/L」を受け取ることが多いです。
しかし、これでは船会社が船積みしたことの証明にはなりません。
そのため、輸出者またはフォワーダーが船会社に依頼し、船積み後に「On Board Notation」のスタンプ、あるいは下部に記載のある「Laden on board the vessel」の欄に日付とサインをもらう必要があります。

B/L中央部の記載項目について

B/L中央部の記載項目は、以下の内容です。

11:Container No. 「コンテナ番号」
12:Seal No.:  「シール番号」
13:Marks & Nos. 「荷印」
14:No. of Containers or Pkgs 「コンテナ、または、梱包の数」
15:Kind of Packages; 「梱包の種類」
16:Description of Goods 「貨物の内容」(品目)
17:Gross Weight 「総重量」
※Net Weightは梱包材を除いた正味重量のことです
18:Measurement 「容積」
※CBMまたはM3で表記されます
19:Total Number of Containers or Packages (in words) 「梱包総数」(文字表記)

中央部は、何を運送しているのか、コンテナ番号や梱包の種類、総数、総重量や容積など、貨物の概要が詳しく記載されている部分です。

B/L下部の記載項目について

最後に、B/Lの下部の記載項目は、以下の内容です。

20:Freight & Charges 「運送費用」
21:Revenue Tons 「レベニュー・トン」
※LCLの運賃は1CBM=1トンとして、どちらか大きい方が計算の基礎となります
22:Rate Per 「運賃料率」
※船会社と取り決めた運賃を記載します。タリフ運賃を届出している国に対しての輸送時に記載されます。
23:Prepaid 「先払い」
24:Collect 「着払い」
25:Ex. Rate 「運賃計算用為替相場」
※Ex.はExchangeの略です
26:Prepaid at 「先払い運賃支払地」
※インコタームズCFA, CIP, CFR, CIF条件など
27:Payable at 「着払い運賃支払地」
※インコタームズFCA、FOB条件の時に「Payable at Destination」と記載されます
28:Total Prepaid in Local Currency 「現地通貨による前払運賃総額」
※一般的には記載されません
29:Number of Original B(s)/L 「オリジナルB/L発行通数」
30:Place of B(s)/L Issue Date 「B/Lの発行地と発行日」
※ 「Freight Prepaid as Arranged」は、輸出者が既に海上運賃を支払ったことを意味しています
※「Date」(日付)と 「Laden on Board the Vessel By」 (署名)は、貨物が船積みされたことを証明するものです

下部には、運賃計算のために設けられた項目と、書類の発行と船積みの証明のための項目に大きくわけられています。


今回はB/L(Bill of Lading)、日本語で言う「船荷証券」についてご紹介しました。

細かい内容について、理解を深められたでしょうか?

普段使わない単語についても、知っていると役立つ面があるかもしれません。

それに、記載内容をしっかりと把握しておくことで、イレギュラーなケースなどにも対応しやすくなります。

大竹

貿易事務に興味がある人も、現在貿易事務に携わりながら知見を広めておきたい人も、一度は目を通しておきましょう。

セカワク公式YouTubeチャンネル
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この記事を書いた人

大竹 秀明 大竹 秀明 一般社団法人まじめに輸入ビジネスを研究する会 代表理事

1974年生まれ 神奈川県横浜市出身
元ビジュアル系メジャーギタリスト (EMIミュージックジャパン)から34歳の時に貿易家に転身。
資金や語学力がない初心者でもクラウドファンディングを活用した貿易物販ビジネスが構築できる『ひとり貿易』を生み出す。
これまでのプロデュース実績は累計700件・15億円以上。
ひとり貿易コンサルタントとして10年間で1万人以上に講演指導を行い、日本郵便やYahoo!、東京インターナショナルギフトショーなどでも講演。
Makuakeエバンジェリスト・CAMPFIREキュレーションパートナー・GREENFUNDINGパートナーと、史上唯一の3大クラウドファンディング公式パートナーを務める。
「セカイをワクワクさせる貿易家を生み出す」 を理念として精力的に活動中。

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