「為替予約」以外の為替変動リスク対策について

皆さんは、かつて2017年にトランプ大統領就任の際など、為替相場が大きく動いて話題になったことを覚えていらっしゃるでしょうか?

こうした為替の変動は輸出入者にとっては大きなリスクです。

大竹

では、社会情勢の変化による変動リスクを減らすために、どのような対策を立てておくべきなのか、考えていきましょう。

目次

輸出者・輸入者が自身の裁量でできる為替変動リスク対策

「先物為替予約」という為替変動リスク対策は、銀行との取引によってリスクを減らす方法です。

しかし今回ご紹介するのは、「輸出者や輸入者が自分自身の裁量で行う」という方法です。

では早速、代表的な4つの対策についてご紹介していきましょう。

①     自国通貨で取引する

為替変動リスクは、そもそも外国通貨のレートが変動するから引き起こされるものです。
そのため、自国通貨(日本円など)で取引すれば、為替のリスクはありません。

例えば、日本の企業が輸入する立場にある時、売買取引を円建てで行えば、外貨を日本円に交換する必要がなくなります。
これはある意味で究極のリスク回避方法です。

ただその代わり、海外の取引先である輸出者が為替リスクを負うことになります。
そのため、輸入者はリスクに見合う商品価格の値引きなどを要求される可能性もあります。

②     リーズ・アンド・ラッグズ(Leads and lags)

輸出者や輸入者自身が相場の動きを見て、外貨の決済時期を早めたり、逆に遅めたりしながら為替相場の変動に対応する方法です。
ただし外貨の相場予測は難しいため、確実なリスク対策ではありません。

また、輸出者は輸入者へと出荷した貨物の商品代金をなるべく早く回収したいと考えます。
そのため、輸出者と輸入者の間にしっかりとした信頼関係がないと成立しない方法です。

ちなみに、リーズ(leads)は早めること、ラッグズ(lags)は遅らせることを意味します。

③     為替マリー(Exchange Marry)

輸出した商品代金を外貨で受け取り、その外貨で輸入した商品代金の支払いにあてる方法です。
債権(受取外貨)と債務(支払外貨)を同時に持っていれば、組み合わせること(マリー)で為替変動による差益と差損を相殺するという仕組みです。

しかし実際には、よほど大きな商社でなければ外貨の債権債務を同時に同額程度持っているということは無いため、全ての企業が行える方法ではありません。

④     ネッティング

輸出と輸入、両方の取引がある相手と一定期間の輸出額と輸入額を相殺する方法です。
相殺しきれなかった分の残額は為替変動リスクがありますが、金額が小さくなる分、リスクも軽減されます。

支払いと受け取りを相殺するネッティングは、本来なら複数回発生する送金が一度になり、銀行へ支払う手数料も削減できます。
そのため、同じ企業グループの会社など信頼できる会社との取引において特に利用されています。

最も利用されている対策は「為替予約」

上記でご紹介した4つの方法を比較すると、それぞれの為替変動リスク対策は会社によってできることとできないことがあるのがわかります。
その点、先物為替予約という方法は企業規模に関わらず、どの輸出入者でも行える方法です。
逆説的な説明になりますが、為替予約が最も利用されているという実態にも納得できます。

また商社や貿易会社では、それまでの経験から為替変動リスク対策をとっていることが多いです。
逆に、あえて為替リスク対策をしていないケースというのもあります。


実際には、貿易事務担当者がどのリスク対策をとるかを判断することは滅多にありません。

しかし、貿易取引ではリスク管理のために必須の知識です。

大竹

為替変動リスク対策についての知識は重要ですので、ぜひこの機会に覚えておきましょう。

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