貿易取引で使われる略語とは?使用頻度の高い略語10選を解説!
貿易実務の現場では、貿易に関する様々な用語が略語の形で使用されます。
そのため、取引に関わるどちらか一方が略語の意味を理解していない場合、取引が円滑に行われないような事態に陥ってしまいかねません。
今回は、そんな貿易用語の略語のうち、貿易実務で頻繁に使用されるものを10個紹介させていただきます。
貿易実務で頻繁に使用される貿易用語の略語10選
今回紹介させていただく略語は、貿易に必要となる各種書類に関するものが中心になります。
貿易取引を円滑に進めていくためには、契約書類に関する略語は必ず押さえておきたいところです。
基本となる次の略語について説明していきますので、内容を覚えて貿易実務に役立てていきましょう。
1、I/V(送り状 Invoice/インボイス)
2、P/L(梱包明細書 Packing List/パッキングリスト)
3、I/P(保険証券 Insurance Policy/インシュランシュポリシー)
4、C/O(原産地証明 Certificate of Origin/サーティフィキット オブ オリジン)
5、L/C(信用状 Letter of Credit/レター オブ クレジット)
6、B/E(為替手形 Bill of Exchange/ビル オブ エクスチェンジ)
7、B/L(船荷証券 Bill of Lading/ビル オブ レイディング)
8、SWB(海上運送上 Sea Waybill/シーウェイビル)
9、AWB(航空貨物運送状 Air Waybill/エアウェイビル)
10、A/N(貨物到着案内 Arrival Notice/アライバルノーティス)
1、I/V(送り状 Invoice/インボイス)
I/Vは、貿易取引における送り状です。
輸出者や輸入者、輸出地や輸入地、輸送貨物種別や数量など、基本的な取引情報が記載された書類で、輸出者が作成する事になります。
2、P/L(梱包明細書 Packing List/パッキングリスト)
P/Lは、輸送貨物に使用されている梱包材や貨物の重量、大きさ、荷印などが記載された梱包明細書です。
書類の作成は、I/Vと同じように輸出者が行うことになります。
3、I/P(保険証券 Insurance Policy/インシュランシュポリシー)
I/Pは、保険会社が発行する保険証券です。
輸送貨物に関する保険の申込み者へ発行され、保険の適用条件や保険金額に加え、当該貨物輸送にかかる情報などが記載されます。
4、C/O(原産地証明 Certificate of Origin/サーティフィキット オブ オリジン)
C/Oは、特恵関税制度を適用するために必要となる原産地証明です。
特恵関税制度による関税減免を受けるためには、輸出地で発行されたC/Oを輸入時に提出することが必要になります。
5、L/C(信用状 Letter of Credit/レター オブ クレジット)
L/Cは、輸入者が支払うことになる取引代金について、銀行が保証を行う信用状です。
貿易の現場では、輸入者及び輸出者双方のリスク回避手段として従来から活用されてきました。
L/Cを使った取引のことを、信用状取引と呼びます。
6、B/E(為替手形 Bill of Exchange/ビル オブ エクスチェンジ)
B/Eは、輸出者から輸入者へ発行される代金請求書です。
D/PやD/Aを決済条件とした場合や、信用状取引を行う際に利用されます。
7、B/L(船荷証券 Bill of Lading/ビル オブ レイディング)
B/Lの本来の機能は貨物引換証ですが、それ以外にも様々な機能を兼ね備えています。
証券としての性質も持っているため、B/L自体を売却することも可能です。
B/Lの購入者は輸送された貨物を引き取る権利を得ることになるため、貿易取引のおける重要書類と言えるでしょう。
8、SWB(海上運送上 Sea Waybill/シーウェイビル)
SWBは、海上輸送時に船会社が発行する海上運送上です。
B/Lと混同してしまうこともあるかもしれませんが、証券としての性質を持っていないのが大きく異なる点です。
SWBの場合は、そこに示された荷受人以外は貨物を引き取ることができませんので注意しておきましょう。
9、AWB(航空貨物運送状 Air Waybill/エアウェイビル)
AWBは、SWBの航空輸送版と言えるでしょう。
書類を発行するのは航空会社で、輸出者や輸入者、輸送貨物内容について記載されます。
10、A/N(貨物到着案内 Arrival Notice/アライバルノーティス)
A/Nは、輸入地に船が着く前日などに船会社によって作成される書類です。
A/Nを受け取った輸入者は、貨物引取の準備を進めていくことになります。
今回は、10種類の貿易用語の略語について説明させていただきました。
取引では必ずしも略語を使用しなければいけないという訳ではなく、相手に応じて使い分けることが重要です。
しかし、取引先が略語を使用してくる場面も少なくないので、覚えておくと必ず役立つ場面はあるはずです。
しっかりと略語の意味を理解し、貿易取引に活かしていきましょう。