貨物の受渡し条件について理解を深めよう!

今回は貿易取引において売買契約内容の交渉時にとても重要となる「貨物の受渡し場所・時期・方法」に関する『貨物の受渡し条件』についてご紹介します。

大竹

貿易取引の交渉をするために、しっかりと抑えておきましょう。

目次

そもそも『貨物の受渡し条件』とは?

貿易取引では、売り手(輸出者)と買い手(輸入者)が売買契約内容の交渉を行います。
その際には、商品の種類・数量・品質・貿易条件(インコタームズ)・決済方法など、様々な条件を擦り合わせて決めていきます。

この貨物の受渡し場所や時期と方法に関する条件を『貨物の受渡し条件』と言います。
言葉自体は、実際にはほとんど口にする機会はないのですが、その内容は売買契約に関わることなので非常に大切です。

『貨物の受渡し条件』を大きく分けると、貨物の受渡しに関するものと、貨物の輸送内容に関するものの2つがあります。
まずは、それぞれの内容を順番にご紹介していきましょう。

貨物の受渡し場所や時期と方法

貨物の受け渡し場所

貨物の受渡し場所は貿易条件(インコタームズ)で決まります。

例えば「FCA Hong Kong」であれば、香港が貨物の受渡し場所になります。
また、「DDP Tokyo Trading Company」であれば、東京貿易会社(仮名)となり、「インコタームズ ○○○○」の○○の部分が受渡し場所になります。

ただここで注意が必要なのは、○○の部分の受渡し場所で、輸出者と輸入者の責任が切り替わる訳ではないということです

EXW、FCA、DAP、DAT、DDP、FAS、FOBの7つの条件では、受渡し場所にて輸出者から輸入者へと危険負担、費用負担が同時に切り替わります。
しかし、CPT、CIP、CFR、CIFの4条件は異なります。

仮に「CIP Shanghai Port」なら、実際の貨物を受渡すのは上海港になりますが、輸出者の危険負担は輸出港のコンテナヤードに入れた時点で完了します。
つまり、海上運賃・保険料は、上海港まで輸出者が負担することになります。

そのため、受渡し場所が輸出入者の責任が切り替わるのではありません。
あくまでインコタームズのルールに基づいているということを覚えておきましょう。

貨物の受渡し時期

貨物の受渡し時期は本来、船積み時期(Time of Shipment)を意味します。
ただし、実務では輸出地での発送時期を基準とするのではなく、輸入地への到着時期(Delivery Time)を基準にして取り決められるのが一般的です。
※実際に会社や取引先によって受渡し時期をどのように決めているかは異なります。
過去の売買契約書を調べる、または社内の方に相談するなど、事前にしっかりとご確認ください。

また、貿易における輸送では、天候や事故による遅延、船会社のスケジュール変更がよく起きるのが実情です。
そのため、ある一定の期間を指定することも多いです。
(例: at the beginning of June / 6月上旬)

貨物の受渡し方法

貿易取引では原則的に、貨物が輸出者から輸入者へ直接手渡されることはありません。
基本的には、運送人によって間接的に引渡されます。
船舶輸送なのか航空輸送なのか、または複合輸送なのかなど、具体的な輸送方法については別途取り決める必要があります。

しかし、どちらにしても運送人による「間接引渡し」という点は変わりません。
そのため「受渡し方法は間接引渡し」が前提で、方法自体が議論になることはほとんどありません。

ただ、イレギュラーな対応が必要な場合には、受渡し方法について内容を細かく契約書に明記しておくことがオススメです。
例えば運送人をA社にして欲しいなどの輸送方法を指定する場合や、複合輸送の場合には「どこで誰に引渡すのか」などはしっかりと記載しておきましょう。

船積みの場合の分割船積みや貨物の積替えの可否

「分割船積みの可否」や「貨物の積替えの可否」も、貨物の受渡し条件として輸出者と輸入者の双方で取り決められる内容です。

分割船積み(Partial shipments)とは、1つの契約で交わした商品を複数回に分けて船積みすることです。
一方、貨物の積替え(Transshipments)とは、商品の輸送の途中で他の船や飛行機などに積み替えることです。

信用状取引によって売買契約を結ぶ場合には、信用状発行依頼書に「Allowed / Prohibited」の記載をする必要があります。
そのため、通常は契約の際に双方で話し合って取り決めを行います。

あえて可否を取り決めないケース

しかし、実務においてこれらの可否を取り決めない場合もあります。

その理由は、例えば契約時には輸出入者双方が一括で貨物を輸送したいと考えている場合でも、輸入者の事情によっては、契約した貨物の受渡し時期または納期よりも早くに商品が必要になることがあるためです。

分割船積みを拒否する契約を交わし、そのような事態になれば、発行した信用状を修正するなど、契約内容の変更で再度交渉する必要が出てきます。
そのため、契約時には「分割船積みの可否」についてはあえて取り決めないことがあります。


今回は、貨物の受渡し場所や時期と方法などに関する『貨物の受渡し条件』についてご紹介致しました。

こうした知識は、貿易取引において売買契約内容の交渉時にとても重要な内容になります。

大竹

実務の場面でスムーズに貿易取引ができるように、理解を深めておきましょう。

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この記事を書いた人

大竹 秀明 大竹 秀明 一般社団法人まじめに輸入ビジネスを研究する会 代表理事

1974年生まれ 神奈川県横浜市出身
元ビジュアル系メジャーギタリスト (EMIミュージックジャパン)から34歳の時に貿易家に転身。
資金や語学力がない初心者でもクラウドファンディングを活用した貿易物販ビジネスが構築できる『ひとり貿易』を生み出す。
これまでのプロデュース実績は累計700件・15億円以上。
ひとり貿易コンサルタントとして10年間で1万人以上に講演指導を行い、日本郵便やYahoo!、東京インターナショナルギフトショーなどでも講演。
Makuakeエバンジェリスト・CAMPFIREキュレーションパートナー・GREENFUNDINGパートナーと、史上唯一の3大クラウドファンディング公式パートナーを務める。
「セカイをワクワクさせる貿易家を生み出す」 を理念として精力的に活動中。

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