コンテナターミナルのご紹介!
今回は、貿易の輸送に欠かせないコンテナが集結する港湾施設である「コンテナターミナル(Container Terminal)」の概要をご紹介します。
貿易初心者の方にも理解しやすいように、まずはコンテナターミナルの「ターミナル」が何を意味するかというポイントからご説明しましょう。
海上輸送と陸上輸送の接点であるコンテナターミナル
「ターミナル」と聞くと、バスターミナルやターミナルホテル、空港の第1ターミナルなどの、日本語として定着している言葉を思い浮かべるかと思います。
しかし、「具体的にはどういう意味なのだろう?」と疑問に思ったことがある方もいるのではないでしょうか。
「ターミナル」とは、英語で「交通機関が多く集まり、人が乗り降りするところ」という意味です。
「コンテナターミナル」はつまり、コンテナ貨物を載せた貨物船やトレーラーやトラックが集まる場所であり、貨物を積んだり降ろしたりする場所です。
まさに英語の意味にぴったり当てはまる役割を持った場所だと言えます。
ちなみに、コンテナターミナルを説明する時には、「海上輸送と陸上輸送の接点」と言われることもあります。
今回はその全体像について順を追って解説していきましょう。
コンテナターミナルの全体像
まず覚えておいて頂きたいのは、コンテナターミナルは「保税地域」という国が設けている特別地域だということです。
主に外国から運ばれてきてまだ国内の貨物として許可をされていないものや、これから外国へと運ばれる貨物が一度蔵置されるため、一般の人は入れない場所となっています。
ただし港によっては、ターミナルを一望できるような、コントロールルームなどの場所への見学会を実施しているところもあるようです。
コンテナターミナルの中でも、最も大きく場所をとっているのが「CY(コンテナ・ヤード)」と呼ばれる場所です。
CYはコンテナが積まれて蔵置されているところになりますので、1番イメージがしやすいのではないでしょうか。
また「CFS(コンテナ・フレイト・ステーション)」は、コンテナに詰められる前の貨物が運び込まれる場所です。
ここでは仕向地が同じ貨物が一つにまとめられた後、CYに積まれていきます。
そして、このコンテナを揚げたり降ろしたりするのが、港湾の岸壁に設置された「ガントリークレーン」です。
その他にも、コンテナターミナルには多くの施設があります。
例えば保税地域内での貨物の保管や荷捌きなどの作業が許可されているフォワーダーの「上屋(うわや)」と呼ばれる倉庫や、空のコンテナを蔵置する「空バンヤード(バンプール)」などです。
そして、大きな港には石油やLNGを保管するためのタンクがあります。
コンテナターミナルについて、全体像をつかむことができたでしょうか?
貿易事務を行っていても、実際にコンテナターミナルを見に行ったりするような機会はなかなかないと思います。
しかし、少しでも理解を深めておくことで、フォワーダーとのやり取りがスムーズになったり、貿易実務をしていてもしっかりとしたイメージを描いて対応ができたり、メリットはあります。
この他にも疑問に思ったことは積極的に調べたりして、知見を広げておきましょう。