インドネシア8社の日本初出展を支援|オーガニックライフスタイルEXPO 京都2026 現地レポート 〜貿易家たちが世界とつながった日〜

廃材のガラスが、ジュエリーになっていた。
捨てられるはずだった牛乳パックや端切れが、バッグになっていた。
道端に咲く花や草木が、アクセサリーやファッションになっていた。
インドネシアの自然が、そのまま香りになっていた。
これは、2026年6月に京都で開かれた展示会で、私たちユビケンの貿易家たちが目にした光景です。「不要なもの」が「価値あるもの」に変わる瞬間——それはまさに、貿易家が扱うべきビジネスの本質そのものでした。
今回のご縁をいただけたのは、貿易塾11期生の方からのご相談がきっかけでした。大阪・関西万博2025を経て、特に関西を中心に日本でのエコ・サステナビリティ・オーガニックへの関心がさらに高まっていくのではないか——そう考えたインドネシア領事館が、「インドネシアのサステナブル商品が日本市場に参入できる可能性について、大竹先生のご意見を伺いたい」と相談してくださったことが始まりでした。塾生のご縁が、国際的な仕事へとつながる。それが、ユビケンという場所の力だと思っています。
貿易家が注目すべき市場——「オーガニック×サステナブル」の潮流が京都に集結

2026年6月12日(金)・13日(土)、京都・岡崎の「京都市勧業館みやこめっせ 第2展示場」にて、「第3回オーガニックライフスタイルEXPO West in 京都2026」が開催されました。テーマは「Shift the Future with Organic」。
2016年に東京でスタートした「オーガニックライフスタイルEXPO」の関西版として生まれたこのイベント。オーガニック・ロハス・サステナブル・エシカル・フェアトレードなど、様々なコンセプトを持つ企業・団体・生産者が一堂に集まる、業界関係者にとって重要な商談・情報収集の場です。
貿易家の視点から見たとき、このイベントが持つ意味は大きいです。日本市場でオーガニック・サステナブル商品のニーズが急速に高まる中、世界の作り手と日本の消費者をつなぐ「橋渡し役」を担える人材が、今まさに求められているのです。
2日間を通じて、業界関係者から一般のお客様まで、幅広い方々が直接商品を手に取ることができる、とても温かみのある場でした。そして今回のインドネシアブース(小間番号:K-38)には、特別な背景がありました。
202社から8社へ——4か月の選考を経て生まれた、ビジネスチャンスの原石たち

今回ユビケンは、インドネシア領事館とのご縁をいただき、インドネシアから出展される事業者さんのサポートを担当しました。しかしそもそも、今回の8社がブースに立つまでには、実は4か月にわたる丁寧な準備がありました。
大竹先生へのご相談から始まり、選考基準の検討、応募企業の確認、面接、最終選考、出展準備——それぞれの段階で、大竹先生が継続的にアドバイスを届け続けました。日本市場におけるサステナブル・アップサイクル商品の可能性、どの商品カテゴリーにチャンスがあるのか。そうした示唆を積み重ねながら、この日を迎えたのです。
貿易家として知っておきたい選考の流れ:
- 当初の応募企業数:202社
- 書類・応募条件を満たした企業:64社
- 面接選考に進んだ企業:12社
- 最終的に選ばれた企業:8社
202社の中から書類・面接を経てたどり着いた8社。アップサイクルアクセサリー、サステナブルファッション、アップサイクル/リサイクルグッズ、オーガニックウェルネス&マインドフルリビングという4分野にわたるこれらのブランドは、日本市場への参入を真剣に見据えた、まさに「ビジネスの原石」たちです。
8社のブランドを知る——どれも、貿易家が扱いたくなるストーリーがある
貿易家にとって商品選びで大切なのは、スペックだけではありません。「なぜこれが生まれたのか」というストーリーが、日本の消費者の心を動かす時代です。今回の8社には、それぞれに強い背景がありました。
Saraswati Papers ― バリ島の紙が、物語になる

1995年から学校や家庭の紙を回収し、化学薬品を使わず一枚一枚手作業で仕上げる再生紙ブランド。ジャーナル・フォトフレーム・カードなどを展開しています。「エコ文具」として日本市場でのニーズが見込めるカテゴリーです。Instagram:@saraswatipapers
Six Scents ― インドネシアの自然を、香りに閉じ込めて

地域の原料と廃棄物をアップサイクルしながら香りを届けるナチュラルフレグランスブランド。ソイキャンドル・アロマオイル・ルームスプレーなどを展開。「ウェルネス」「マインドフルネス」ブームの日本市場と相性の良い商品カテゴリーです。Instagram:@sixscents.id
POPSIKLUS ― 捨てられるはずだったものが、バッグになった

牛乳パックや小麦袋という「ゴミ」を職人の手仕事で個性あるバッグへ変身させるアップサイクルブランド。一点ごとに異なるストーリーを持ち、「唯一無二であること」を価値とする日本の消費者に刺さる商品です。Instagram:@popsiklus
WN White Noise ― 廃棄ナイロンが、機能美あるバッグに

日本認証リサイクルナイロンを使ったバッグブランド。廃棄物に新たな価値を与えるデザインと機能性を両立し、日本のクラウドファンディング「Makuake」での展開実績もあり、すでに日本市場への適応力を持つブランドです。Instagram:@wnwhitenoise
Komang Tri Jewelry ― 廃棄ガラスが、バリの美しさをまとう

廃棄ガラスボトルをアップサイクルし、インドネシア文化の美しさと現代デザインを融合させたサステナブルジュエリー。「エシカルジュエリー」として日本の感度の高い消費者層に訴求できます。Instagram:@komangtri.jewelry
Di Kala Hujan ― 雨の日に咲く花を、永遠に

「雨の時間」を意味するブランド名のとおり、本物の花をレジンで丁寧に保存したボタニカルジュエリー。記憶・自然・時間を宿す作品は、ギフト需要やD2C展開にも大きなポテンシャルを持ちます。Instagram:@dikalahujan.jewel
Batik Wiliwang ― 山の草木が、一枚の布に宿る

ラウ山の麓で生まれたエコプリントブランド。葉や花・茎など植物の自然な色と形を布に写し、一枚ごとに異なる表情を持つ作品を制作。「一点物」「天然素材」というキーワードで日本市場に訴求できます。Instagram:@batik_wiliwang
Prajan Eco ― 葉を叩いて生まれる、世界にひとつの模様

葉を布に丁寧に叩き込む「たたき染め」で世界にひとつだけの模様を生み出すスローファッションブランド。自然と伝統の手仕事を、長く愛用できる一着へ。「サステナブルファッション」の文脈で日本での展開余地が大きいブランドです。Instagram:@prajaneco
どのブランドも、たったひとつの思いで動いていました。「不要とされたものに、もう一度命を吹き込む」——その思いが、すべての商品に宿っていたのです。そしてそのストーリーこそが、貿易家が日本に届けるべき「価値」そのものです。
ユビケンが現場でやったこと——貿易家だからこそ、できる役割がある
ユビケンチームは今回、ブース装飾のサポートにとどまらず、積極的に「つなぐ」役割を担いました。
そして嬉しいことに、在大阪インドネシア共和国総領事・ジョン・チャヤント・ブスタミ総領事が、直接インドネシアブースにお越しくださいました。開会式ではテープカットも行われ、会場全体に凛とした温かさが広がりました。インドネシアと日本の架け橋になりたいという思いが、ひとつの形になった瞬間でもありました。

展示ブース装飾のサポート

商品の魅力を最大限に引き出すためには、「見せ方」が重要です。どう陳列するか、どんな雰囲気をまとわせるか——ブース装飾ひとつで、来場者の反応は大きく変わります。貿易家として商品を仕入れる際にも、この「見せ方の視点」は必ず役に立ちます。
大竹先生によるセミナーの実施

大竹先生によるセミナーでは、日本市場で販売する上での注意点や、日本人が好む販売戦略・効果的なアプローチについて、実践的な視点からお伝えしました。


「日本人はなぜこの価格に抵抗を感じるのか」「パッケージのどこを変えると手に取ってもらいやすくなるのか」——こうした知識は、貿易家として仕入れ先の事業者にアドバイスできる力でもあります。バイヤーとして選ばれるためには、売れる商品を見つけるだけでなく、売れる商品に育てる視点が必要なのです。
貿易家がバイヤーとして動いた——現場でしか得られない学びがあった
今回の展示会には、ユビケンの多くの貿易家たちが集まりました。インドネシアの作り手たちのブースをひとつひとつ巡りながら、0から生まれるものづくりに直接触れた貿易家たちは、思い思いの言葉で感動を分かち合っていました。
また、実際に貿易に携わる貿易家たちが、インドネシアの事業者さんのプレゼンに対して率直な意見をぶつけました。


「この商品の日本での価格設定、どう思いますか?」
「ストーリーの伝え方、もっとこうしたら刺さるかもしれない」
「パッケージをこう変えると、日本のお客さんに響くと思う」
そんなリアルな声が、その場で通訳を通じて事業者さんたちに届けられました。
これこそが、貿易家としての本当の価値発揮の場です。ただ商品を仕入れるだけでなく、作り手に日本市場の実情をフィードバックし、共に商品をブラッシュアップしていく。その関係性が、長期的なビジネスの土台になります。


なかには実際に商品を購入した貿易家もいました。
自分が「いい」と感じたものを、自分のお金で買う。それはバイヤーとして最上の共感の形であり、「売れる確信」の始まりでもあります。

貿易家として正直な気持ちをお伝えすること。それが、ユビケンの貿易家にしかできない役割でした。
世界と日本がつながる場所が、まさにここで繰り広げられていました。インドネシアの作り手と、日本の貿易家が、言葉を越えて笑い合い、うなずき合っていたあの光景は、きっとずっと忘れられないでしょう。
終始、笑顔が溢れる場所

わたしたちが何より胸を打たれたのは、ブースに立つ事業者さんたちの「顔」でした。
202社の中から書類・面接を経て選ばれた誇りがあるのでしょうか。それとも、自分たちが生み出したものへの揺るぎない自信でしょうか。彼ら・彼女たちは、笑顔で、そして胸を張って、自分たちの作品の前に立っていました。
貿易家として仕入れ先を選ぶとき、「この人と仕事がしたい」と思える作り手に出会えるかどうかは、とても大切なことです。自分の商品に誇りを持ち、情熱を持って作り続ける人——そういう人が作るものだからこそ、日本の消費者の心にも届くのだと、改めて感じた瞬間でした。


廃材から生まれた一つのバッグ、庭に咲いていた花から生まれた一つのネックレス。そこには数字や効率では測れない、人の手と心が込められています。日本のお客さんが手に取り、「これ、どうやって作ったの?」と目を輝かせる瞬間。


その瞬間をそばで見られたことが何より嬉しい時間でした。

現場の空気は、終始温かいものでした。
人の手で作り出す力が、あの場所にはあふれていたからだと思います。
貿易家という仕事の本質——「想いごと、届ける」それが、大竹先生が作った世界

私たちはよく、貿易家の仕事を「物を動かすこと」と表現します。でも、この2日間を通して改めて感じたのは、それだけじゃないということです。
物には必ず、生み出した人がいる。
廃材を前にして「これで何か作れないか」と考えた人がいる。
花を摘んで「これをずっと残したい」と思った人がいる。
山の草木を見て「この色を布に写したい」と動き出した人がいる。

貿易家の仕事は、その「思い」ごと受け取って、日本に届けることだと思っています。
「なんとなく副業で輸入販売をしてみたい」という動機から始まっても構いません。でも、現場に出てインドネシアの作り手と向き合ったとき、きっと何かが変わります。「この人の作ったものを、日本に届けたい」——そう感じた瞬間から、あなたは本当の意味で貿易家になれるのだと思います。

大竹先生へのご相談から始まり、選考基準の検討、面接、最終選考、出展準備まで——約4か月間、一つひとつの段階を丁寧に積み重ねて実現したのが、今回のインドネシアブースでした。そしてそれは、大竹先生が長い年月をかけて丁寧に作り上げてきた世界そのものです。
貿易を通じて、国境を越えて人がつながっていく。
その輪の中に私たちがいることを、誇りに思っています。
これからも、その輪をもっと広く、もっと温かくしていきたい。そんな思いを胸に、歩み続けます。

あなたも、この輪の中へ。
貿易家になるということは、物を売ることではなく、
世界の誰かの「想い」を受け取り、日本に届けること。
ユビケン貿易塾では、そんな貿易家を目指す仲間を待っています。






