飲食店経営から世界と繋がる貿易家へ。家族との時間を大切にできる働き方とは

「貿易家になって家族との時間が増えました」そう話してくれたのは、飲食店の経営から貿易家に転身した井實 裕也さん。

ひとり貿易塾に入塾してから1年足らずの間にどのような変化があったのか、お話を伺いました。

プロフィール

井實 裕也さん

ひとり貿易塾5期生。飲食店を4店舗経営しながら、ひとり貿易に挑戦。現在は飲食業界から足を洗い、貿易家として活躍中。2回目のMakuakeプロジェクトを実行中▶︎錆びないセラミック刃。軽量防水シェーバー『Meridian』

目次

飲食店経営から貿易家へ転身

—— 今の働き方を教えてください。

ひとり貿易塾に入塾した時は、飲食店を経営していました。貿易の勉強を進めながら、飲食の仕事を辞める準備をして、今は貿易家一本です。

—— 飲食店の経営から、なぜ貿易家になろうと思ったのでしょうか?

10年ほど前にアメリカのニューヨークに住んでいました。その時に文化や価値観の違いに衝撃を受けて、いつかは海外と繋がる仕事がしたいと思っていたんです。最初は飲食業で海外進出することも考えましたが、コロナの影響や結婚して子どもが生まれたことで、今後の人生における時間の使い方を考えるようになり、新たな業界に挑戦することにしました。

—— 海外と繋がる仕事として、ひとり貿易を選んだのはなぜですか?

海外と繋がる仕事を探す中で、貿易の仕事に興味を持ちました。いろいろ検索する中で大竹さんの存在を知り、著書『輸入ビジネス3.0』を読んでみたのです。その内容に興味を惹かれ、すぐにセミナーに申し込みました。

セミナーでは、大竹さんが熱心に話をしていて、参加者からの質問にも丁寧に対応していました。その姿を見て、貿易の世界に飛び込んでみたいと思いました。

—— 飲食店を経営しながら、貿易の勉強もする。かなり忙しかったのではないでしょうか?

仕事が終わって、帰宅するのが深夜0時〜2時位。そこから講義の動画を見返したり、商品リサーチをしたり。寝る時間を削るしか、選択肢はなかったです。

だけど家族の応援があって挑戦できたことなので、ひとり貿易塾の9ヶ月間は全力で頑張ろうと思いました。

—— ご家族の応援があったのですね。

正直なところ、入塾の時期を後ろにずらした方が良いのか悩んでいたんです。その時に妻が「時間は有限だよ」「私も働いてるしなんとかなるよ」と背中を押してくれて。妻の一言で「このタイミングで頑張れなかったら、時期をずらしたとしても良い結果は得られないだろう」と思い、ひとり貿易塾5期に入塾する決心がつきました。

学んだことが形になる。実現性の高いビジネスモデル

—— 初めてMakuakeで販売した商品について教えてください。

アメリカのAmazon.comで見つけた、セラミック刃を使用した防水シェーバー「Meridian(メリディアン)」です。

最近は男性の脱毛需要が高まっているので、ニーズがあるかと思いました。サンプルを取り寄せて使ってみると、いつもはカミソリ負けして赤くなってしまうのに、全くしなくて。商品の良さを体感できたので、日本で販売したいと思いました。

メーカーは日本で販売するためにパートナーを探していたようで、すぐにzoom商談に進み、スムーズに独占販売権を獲得できました。

—— この商品に出会うまでに、どのくらい営業メールを送りましたか?

50通くらいかなと。ライバルの多い海外のクラウドファンディングサイトではなく、メーカーに直接連絡をとりやすいAmazon.comをメインに商品リサーチをしたので、返信率は高かったです。

海外のクラウドファンディングサイトには良い商品が揃っているけれど、その分ライバルも多く、メーカーとコンタクトが取りにくいです。どんなに良い商品を見つけても、メーカーとやりとりができなければ先に進めないですからね。

—— メールを送る時に心がけていたことはありますか?

自分が営業メールを受け取る立場だったら、営業感溢れる長々したメールは読む気にならないと思って。だから、商品の良いと感じたポイントを2〜3個伝えて、「日本人も喜ぶ商品だから、ぜひ販売させて欲しい」と軽い感じで伝えました。

—— 独占販売権の獲得まではスムーズに進んだとのことですが、Makuakeを実行するにあたり大変だったことはありますか?

契約を結んでから、メーカーが長期休暇に入ってしまったり、返信がなかなかこなかったり、やりとりが思うように進まなくて。きっとメーカーからしたら、そんなに優先度が高くなかったのかなと。いつになったらプロジェクトが公開できるのか不安に感じることもありました。

商品を販売するにあたり、認証検査が必要なのかどうかがわからずに悩んだこともあります。

—— 悩みはどうやって解決されたのですか?

ひとり貿易塾のチャットを読みあさりました。チャットは宝の山。ひとり貿易の参考書です。仲間の質問、それに対する講師の方からの答えがたくさん載っていて。自分が悩んでいることの答えは大抵チャットに書かれていました


—— 初めてのMakuakeプロジェクト、その結果は?

186人の方からご支援いただき、350万円を超える支援金を集めることができました。

ひとり貿易塾で学んだことを自分でも形にできたことが感激でした。改めてひとり貿易の実現性の高さを実感することができました。

購入者から「すごく良い商品で気に入っています。長く使いたいと思っているのすが、替え刃はどこで購入できますか?」といった問い合わせも数件届いて。お客様の喜びの声がダイレクトに届くのもすごく嬉しかったです。

—— Makuake終了後は一般販売に進んでいるのでしょうか?

東京ギフトショーに出展して、その時に出会った業者さんを経由して、今はオンラインショップで販売しています。量販店での販売もこれから進めていきたいです。

あと、同じメーカーの第二弾商品を現在Makuakeで販売中です。

第二弾は外箱がポップなデザインに変更されて、Makuakeのユーザー層と少し合わないかと懸念があり、結果が伸び悩んでいるのですが……。

第一弾と第二弾の違いを話してくれた井實さん。第二弾はモーターが強化され、暗いところでも使いやすいようにライトが付いて、刃の長さもより細かに設定できるように。

しかし、第一弾よりも機能がアップグレードしているので、SNSも活用しつつ、一般販売を視野に入れて前向きに進んでいきたいです。

クラウドファンディングをきっかけに「Meridian」の認知を広めていきます!

大人の青春を味わった東京ギフトショー

—— 初の展示会、東京ギフトショーはいかがでしたか?

バイヤーさんとの出会いだけではなく、貿易塾の仲間と絆を深めることができました。

これまで飲食の仕事が忙しく、リアル勉強会や交流会に参加できなくて。5期の仲間とはじめて会えたのが、東京ギフトショーだったんです。

はじめて話をする方ばかりでしたが、皆さんすぐに受け入れてくれて、懇親会の後に夜風を浴びながら語り合ったり、大人の青春を楽しみました

ひとり貿易塾の仲間と絆を深めた東京ギフトショー

家族との時間を大切にできる働き方へ

—— 貿易事業をはじめたことで、何か変化は感じていますか?

ものすごい変化を感じています。一番は家族との時間が増えました

飲食業の頃は、子どもと接する時間が1日30分〜1時間ほど。家族と一緒にいられないことが当たり前だったんです。

だから飲食業を辞めて貿易家になってからは、家族との時間を確保した上で仕事をしようと決めていました。

今は家族で朝ごはんを食べて、子どもを保育園に送ってから仕事をして、夜ご飯も家族で食べて、子どもたちを寝かしつけた後にまた仕事をするみたいな。以前よりも子どもたちと接する時間が増えて、妻も喜んでいます。

あと、念願の海外と繋がる仕事ができて、これまで知らなかった世界を知っていく感覚がたまりません!年を重ねると、1年ごとの変化を感じづらかったりしますよね。だけど貿易家になってからの1年は、ものすごく大きな変化を感じました。来年の今頃、どんなことが起こっているのかワクワクしています

輸入と輸出で海外と日本を繋げたい

—— 最後に、今後の目標をお聞かせください。

輸入ビジネスは円相場の変動に影響を受けるので、リスクを分散させるために、最近は日本メーカーの製品を海外に輸出する事業もはじめました。スタートしたばかりですが、輸出業も軌道に乗せていきたいです。

貿易を通じて、日本の文化を海外に、海外の文化を日本に、日本と世界の架け橋になれたらと思っています。

セカワク公式YouTubeチャンネル
セカワク公式YouTubeチャンネル

この記事を書いた人

1987年東京生まれ。大学卒業後、損害保険会社の営業事務を6年間経験。その後、夫の海外赴任に帯同するため退職し、1年間インド・ムンバイにて海外生活を満喫。帰国後は、「おうちで働く」を一つの軸に、ベビーマッサージの先生、Webデザインの勉強、物販のお手伝い、ブログ運営、様々なことに挑戦しながら、最終的に「ライター」の仕事に巡り逢う。現在の野望は「書く仕事を通して、人や物の想いを伝え続けること」。プライベートでは2児の母。

目次