個人でも輸入商社のようなビジネスができる!

ひと昔前、貿易や輸入ビジネスといえば、大きな会社がやることでした。

潤沢な資金や販路があり、管理する人や営業をする人がいて、在庫を保管する倉庫が必要で、さらには海外にコネクションなども不可欠でした。

しかし今は、インターネットの普及で、個人でも貿易商社のようなことができるようになりました。

そこで、今回は「ひとり貿易」と称して、個人でもできる輸入ビジネスについてお話しましょう。

目次

「ひとり貿易」と「貿易家」とは?

私たちは、家にいながら世界中どこの国の人ともリアルタイムで繋がることができるようになりました。
その結果、個人規模でも取引ができるようになったのです。
インターネットは人々の暮らしを豊かにするだけでなく、仕事のあり方も変えてしまったと言えるでしょう。

世界にはまだ日本に入ってきていないような、新しくてユニークな商品がごまんとあり、「貿易家」が見つけてくれるのを、今か今かと待ちわびています。

例えば、
・最新の技術で私たちの生活を快適にしてくれるガジェット
・海外ならではのセンスでつくられたヨーロッパのおしゃれ雑貨
・趣味の世界にこだわったニッチ商品
あるいはモノだけでなく、アプリやシステムだってそうです。

素晴らしい商品やサービスが、世界中で今この瞬間にも産声を上げているのです。
そうしたものを探してきて、日本の人たちに紹介する。
それが「貿易家」の仕事、まさに国と国とを繋ぐ架け橋的な存在なのです。

こうしたことが、インターネットを使うことで、空いた時間を活用してできてしまうのです。
もちろん最初は空いた時間で副業として始めて、そこから独立をして年商数億円といった本格的な輸入商社を作っていくこともできます。
あなたが望む規模感にビジネスをデザインしていくことができる、それが「貿易家」という職業なのです。

これまでとまったく異なる新しいやり方。
まさに「貿易の革命」とも言える手法なのです。

「ひとり貿易」の基本概念

「ひとり貿易」とは、次のような構造で成り立っています。

1.商品発掘:海外パートナー(代理店・OEM)
2.テストマーケティング:クラウドファンディング(Makuake)
3.一般販売:マルチチャネル(卸・小売)
4.管理:外注化・仕組み化・組織化
5.発展:ブランディング

1. 商品発掘:海外パートナー(代理店・OEM)

まずは海外から素晴らしい商品を探してくるところから「ひとり貿易」が始まります。

例えば海外のウェブサイト、「amazon.com」や「Kickstarter」「Indiegogo」といった商品販売サイトで良い商品を探したり、海外の展示会に出向いてメーカーにアプローチをしたり、日本で販売をさせてもらえるように「代理店契約」を結びます。

このように聞くとハードルが高いように思うかもしれませんが、世界中には、まだまだ日本に入ってきていない素晴らしい商品がたくさんあります。
そして、海外メーカーはそれを世に広める機会を常に求めています。
あなたにしか見つけられない商品は、必ず見つかります。

2. テストマーケティング:クラウドファンディング(Makuake)

次にクラウドファンディングを実施します。
前述した通り、クラウドファンディングを使うことで資金調達やテストマーケティング(お試し販売)など、売り上げをつくりながら、実際に日本のお客様に商品を販売したらどうなるのかを確認することができます。

また売り上げ面だけではなく、プロモーションの効果もあります。
メディアに取り上げられたり、有名量販店のバイヤーから取引の連絡が入ったりと、様々な反応を得ることができます。

まずはクラウドファンディングをやってみて、しっかり売れるなら本格的に販売していきましょう。
もしもあまり売れない、あるいは何も反応が得られない場合、クラウドファンディングで売れた分だけ販売をして、その後はもう取り扱いを中止にするという判断もできます。

クラウドファンディングは、様々な可能性を秘めています。

3. 一般販売:マルチチャネル(卸・小売)

「ひとり貿易」では、転売ビジネスのように多種多様な商品をamazonだけで販売していくようなモデルではなく、1つの商品を大事に育てながら、多くの販路で販売していくというやり方になります。
これを「マルチチャネル販売」と呼びます。
つまり1点集中型の販売スタイルです。

そうすることで、在庫管理もシンプルになり手がかからなくなります。
amazon や楽天市場、Yahoo! ショッピングなどインターネットで販売するだけでなく、全国のデパートや百貨店、量販店で販売していきます。
個人でも卸業者を経由することで店舗での販売が可能になります。
自分の商品が有名店舗に並ぶのは、とても嬉しいことですね。

また、日本での販売価格は、輸入商品の場合は自分で決めることができる場合が多く、海外メーカーからの正規仕入れなので、粗利7割程度の高い利益を確保できます。

4. 管理:外注化・仕組み化・組織化

「ひとり貿易」は、文字通り「ひとり」から始まっていくのですが、いろいろなツールやシステムを使ったり、仕事を外注していくことで拡大していきます。

特に今は、クラウドソーシングが発達しているので、正規社員を雇用しなくても優秀な人に遠隔で外注として働いてもらうことができます。
配送も、小口でも対応してくれる外部の倉庫会社がありますので、在庫の管理から配送までを一括で代行してもらうこともできます。
そうすることで、私たち「貿易家」、は一番優先すべき仕事に集中していくことができます。

もちろん本格的な貿易会社として、年商数億円以上をねらっていくのであれば、組織化して会社を拡大していってもよいでしょう。
正規社員やアルバイト、パートを雇い、自社倉庫を借りて在庫や配送を行っていくこともできます。
どのぐらいの規模感でやっていくのかを自分でコントロールしていけます。

5. 発展:ブランディング

クラウドファンディングを実施することで、あなたの商品を無名商品から、付加価値の高いブランド商品へと育てていくことができます。
「クラウドファンディングで500 万円売れました」というような支援額だったり、あるいはテレビや雑誌、キュレーションサイトなどで取り上げてもらった実績だったりと、いろいろな形でストーリーをつくっていくことができます。

また、デパートや量販店でも販売していることも、ブランディングにつながります。
そうすることで、いわゆるコモディティ化(汎用品化)されないように商品を育てていくこと(ブランド化)ができるわけです。


以上が、「ひとり貿易」のビジネス構造になるのですが、実はここで終わりではありません。

「ひとり貿易」のビジネス構造は、平面ではありません。立体であり、螺旋を描いて上に伸びていっているイメージです。

このビジネスは、2周目に入ると一気にやりやすくなります。

是非、継続的に挑戦を続けてみてください。

セカワク公式YouTubeチャンネル
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この記事を書いた人

1988年大阪生まれ。カナダ留学と中国留学を経て、海外にて営業業務に従事。
帰国後に外資系ブランドの直営店にて販売業務を5年間経験。
2018年に卸流通企業へ転職し、海外事業部に配属。東南アジアでのバイヤー業務、オランダで1年間の駐在業務などを経験。
ひとり貿易塾を卒業後にユビケンにジョイン。貿易実務やスクール運営、広報、クラファンコンサル等を務める。

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