クラファン物販をするなら独占販売商品かOEMか?

海外メーカー製品でクラファン物販のプロジェクトを立ち上げる際、リターン商品には大きく分けて2つパターンがあります。

独占販売商品かOEMか、悩む方は多いのではないでしょうか?

海外メーカーと独占契約を結んで輸入品を仕入れる方法とOEM販売する方法、どちらがいいか悪いかということはなく、各々相反するメリット・デメリットがあります。

ただどちらにしてもニーズが高く、今まで日本の市場にはない新しさがある商品を販売していきましょう。

今回は独占販売商品とOEM販売の違いや、メリットとデメリットを詳しく解説致します。

是非とも参考にして、自分に合った方法を選んでみてくださいね。

目次

独占販売商品のクラウドファンディングのメリット

独占販売商品とOEM商品と比較した場合、次のようなメリットとデメリットがあります。
各々のメリットとデメリットを理解しておくことで、どんな点で気を付けないといけないかも見えてくるものです。
まずはメリットについて解説しますので、是非とも参考にしてください。

独占販売商品のクラウドファンディングのメリットは、既に商品の特徴や強みが明確であるという点です。
OEM販売とは違って、独占販売商品は世界的に見れば既製品となります。
そのため、既に商品の特徴や強みが明確になっています。

つまり、支援者が商品を使うメリットなども明確なので、プロジェクト起案時に比較的どの点をPRしたらいいかがわかりやすいです。
一方で、海外のニーズと日本のニーズが違うことがある点は注意しましょう。
「こんな素晴らしい素材を使っている!」「こんな機能がすごい!」と伝えても、日本人から見たらニーズがないこともあります。
「海外クラファンでヒットするなら、日本でもヒットする」とは限らない点にはご注意ください。

そのため、日頃からMakuakeやGREEN FUNDINGなどのクラファンサイトで、どのような商品が売れているかはなるべく毎日チェックするようにしておきましょう。

画像や動画が既に準備されていてLPを作りやすい

クラウドファンディングを起案する際は、商品ページのLPを作る必要があります。
そしてその際には、商品の写真や動画などの素材が必要です。

文字だけで商品の良さを取りこぼしなく伝えることはほぼ不可能です。
そのため、画像や動画も使ってわかりやすく伝えていかないといけません。
ただ、画像や動画を一から撮影するとなると、当然ですがその分のコストや手間がかかってしまいます。

しかし、メーカーの商品であれば、画像や動画はメーカーから提供して貰えるというメリットがあります。
勿論、足りない画像を追加したり、加工したりする必要があることもあるでしょう。
とはいえ、一から準備する必要がないので、コストと手間は大幅に抑えられます。

実際にプロジェクトの支援を集めるには、商品力の他にLPの訴求力が大切になるので、この点は大きなメリットです。

商品の不良品率が低い

メーカーの商品を扱う場合、基本的には海外クラファンを実施して成功している商品を選ぶことになります。
既にプロジェクトを終了している商品ということは、予めメーカーの方で検品して品質が担保されているということです。
そのため、OEM販売に比べると不良品率の発生は低くなります。

しかし、中にはリターン商品の発送時点で、遅延や商品不良のトラブルが発生しているプロジェクトもあります。
商品とメーカー選びの際は、トラブルが発生していなくて、トラブルが発生しても誠実に対応しているメーカーにアプローチするように注意しましょう。

また、既にブランディングと実績があるというのもメリットの1つです。
メーカー商品の場合は、世界的に見ればすでにブランディングされ、実績もあるので、この点を日本でPRしやすくなります。
「Kickstarterで支援15万ドルを超える大ヒット!」
「世界中で愛用されている商品が日本初上陸!」
といった内容で、コピーライティングの技術で言うところの権威性を発信することができます。

検査が比較的スムーズに進められる

輸入品を扱う際、商品によってはPSE法や技適、食品衛生法などの法規制をクリアする必要があります。
しかし、メーカー商品であれば、許認可などの輸入に関する法規制の対応をスムーズに行える面があります。

「海外で認証済ならば日本でも認証が通る」という誤解は絶対にしてはいけません。
しかし、海外で認証済であれば、日本でも認証手続きがスムーズに進む場合があります。
また、検査費用もメーカーが全額、もしくは折半で持ってくれることが多いです。

法規制のクリアが必要な商品は、そうでない商品よりもプロジェクト起案のハードルが上がります。
ただその分ライバルが少なく、しかも意外とスムーズに手続きが進むので、ある程度クラファンの経験を重ねたらチャレンジしてみるのもいいでしょう。

加えて、同じメーカーから他の新商品を提案される可能性が出てきます。
1つのプロジェクトを成功させれば、「次の新商品もやってみませんか?」とメーカー側から提案して貰えることがあります。
OEM商品と違って、開発するのはメーカー側なので、ご自身はクラファンと終了後の一般販売をサポートするだけです。
是非ともメーカーとの信頼関係を構築して、別のプロジェクトを立ち上げ、更に一般販売できる商品を増やして事業を拡大していきましょう。

独占販売商品のクラウドファンディングのデメリット

次に独占販売商品のデメリットについて解説していきましょう。

契約交渉や商品の分析力、販売力が試されるデメリットについては、物を売る力を付ける絶好の機会だと前向きに考えましょう。

メーカーとの交渉力が必要となる

メーカーとの独占販売契約を結ぶためには、まずメーカーとの契約交渉が必要となります。
また扱うのはオリジナル商品ではなく、メーカーの商品なので、ある程度メーカーの意向に合わせないといけない部分もあります。
そのため、自社ブランドで販売できるOEM商品に比べると、自由度が低いところがあります。

一方でOEM商品であれば、支援者のニーズに合わせて既製品を改良するといったことができます。
しかし、既に完成している商品を独占契約するとなると、「商品ありき」となるので、商品を分析して日本人のニーズを見つける必要が出てきます。

前述したように「海外で売れるなら日本でも売れる」という訳ではないので、日頃から日本人のニーズをチェックし、分析力を高めておきましょう。

相対的に利益率が低い傾向がある

メーカーの利益も考慮する必要があるので、オリジナル商品となるOEM販売に比べると利益率は低めになります。
とはいえ、仕入れ代金の交渉などで利益率30~40%の担保は見込めます。

また、独占契約が切られる可能性があるのは大きなデメリットです。
メーカー商品の場合は独占契約が必要となりますが、クラファン物販がうまくいかなかった場合は、契約を切られる可能性が高くなります。

しかし、逆に言えば独占契約を奪える可能性もあるので、必ずしもデメリットとは言えません。
例えば、「前に契約を結んでいた代理店があったが、既に日本での契約が終了している」といったメーカーと出会うこともあります。

こうしたチャンスの際に、自分と取引するメリットを十分説明できるようにしましょう。

OEM商品のクラウドファンディングのメリット

次に、OEM商品のクラウドファンディングのメリットを解説しましょう。

基本的には、独占販売商品のデメリットとなっている部分が、OEM商品のメリットになります。

オリジナル商品なので自由度が高い

OEM商品はオリジナル商品なので、製造委託メーカーの意向に合わせる必要がありません。

制約なく、ある程度自分の好きなように商品を開発して、価格も自由に決めることができます。

これは独占販売商品ではできないことなので、大きなメリットと言えます。

相対的に利益率が高い傾向がある

自由に商品開発の資金や販売価格を決めることができるので、相対的に独占販売商品よりも利益率が高くなります。
そのため、広告費にも力を入れやすい面があるので、プロモーションの際も有利になることがあります。

また、ニーズの高い商品を開発できるというのもメリットの1つです。
完成されたメーカー商品を扱う場合は商品ありきなことに対し、OEM販売であれば日本人のニーズに合わせた商品を開発できます。

勿論、日本人のニーズを分析する力は求められます。
しかし、日本人の視点で商品を開発できる点は大きいでしょう。
また、最初からクラファンだけで終わらず、一般販売を見据えた商品開発もしやすいところがあります。

OEM商品のクラウドファンディングのデメリット

最後に、OEM商品のクラウドファンディングのデメリットについて解説します。

こちらも、基本的には独占販売商品のメリットの逆になります。

宣伝広告の画像や写真を自分で用意しなければいけない

OEM販売は自社ブランドのオリジナル商品となるため、LP用の画像や写真を自分で用意しなければなりません。
そのため、独占販売商品のクラファン物販でLPを作成するよりも、時間と手間がかかることになります。

加えて、実績やブランディングがない点もデメリットです。
OEM販売のクラファン物販は、オリジナル商品を初めて世に出すことになります。
つまり、これまでの実績がなく、一からブランディングも必要です。

先に紹介した権威性を使うという方法も取れなくなるため、訴求力アップの点で少し不利になるところがあります。
とはいえ、メーカー商品のように独占契約が切られるといった懸念点はないので、長い目でブランドを育てることはできます。

品質管理や各種検査をゼロベースで行う必要がある

OEM商品は、メーカー商品のように既に品質の良い工場が用意されているわけではなく、検品が済んでいる訳でもありません。
そのため、品質管理や、輸入規制のクリアを含む認証関係の検査、他社の商標権や意匠権などの侵害の有無を、自社もしくは委託で確認する必要があります。

また、自社商品となるので検査費用も自分で負担となります。
利益計算の際は、こうした点に十分注意してください。

OEM商品と独占販売商品に共通するクラファン物販の注意点

クラファン物販でOEM商品を扱うにしても、独占販売商品を扱うにしても、注意しなければいけないのが、「商品の新規性」です。

最近は、購入型クラファン最大手のMakuakeをはじめとして、プラットフォーム側の審査が厳しくなっています。
特に、客観的に機能面や素材、そしてデザインの面で新しさが認められない商品は、審査に通りづらくなっています。

また、審査に通ったとしても、他商品のコピー品と見間違うかのような商品は、支援も集まりにくくなります。
例えば「これだったらAmazonでもっと安く買えるよね」と思われてしまうからです。

独占販売商品を扱うにしても、OEM商品を扱うにしても、他社にはないアイディアで作られた日本初の商品を出すことが、クラファン物販では求められています。


以上、メーカーの独占販売商品とOEM商品のクラファン物販でのメリットとデメリットを解説しました。
クラファン物販の初心者は、メーカーとの独占契約の方がオススメです。
比較すると、OEM商品はやや上級者向きだと言えます。

各々で相反するメリットとデメリットがあるので、ご自身の合う方法で取り組んでみるといいでしょう。
ただ、既に販促用の動画や写真といった素材が用意されている点や、実績が使える点、各種検査が容易な点などを踏まえると、メーカー商品の方が初心者には安心です。

まずはメーカー商品を扱うことでクラファン物販の実績と経験を積んで、将来的にはOEM商品の販売にも挑戦するといいでしょう。

セカワク公式YouTubeチャンネル
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この記事を書いた人

1988年大阪生まれ。カナダ留学と中国留学を経て、海外にて営業業務に従事。
帰国後に外資系ブランドの直営店にて販売業務を5年間経験。
2018年に卸流通企業へ転職し、海外事業部に配属。東南アジアでのバイヤー業務、オランダで1年間の駐在業務などを経験。
ひとり貿易塾を卒業後にユビケンにジョイン。貿易実務やスクール運営、広報、クラファンコンサル等を務める。

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