物販未経験ママが貿易会社の代表に。人生の転機を力に変えて

コロナ禍、結婚、出産、離婚……。人生の大きな転機を経て、グラフィックデザイナーから貿易家へと舵を切った蘭さん。
ひとり貿易塾との出会いをきっかけに、未経験から輸入ビジネスを始め、法人化までたどり着きました。
海外展示会で工場とつながり、日本でのブランディングを一任されるまでの道のり、クラウドファンディングの挑戦、そして自社ブランドとOEM事業を同時に成長させる戦略まで、蘭さんの貿易家ストーリーを伺いました。
ひとり貿易塾7期 折居 蘭さん
結婚・出産・離婚を経て、「心地いい」をかたちにするプロダクトの開発・販売を手がける「ここ株式会社(KO:KO)」を設立。
蘭さんの商品はこちら▼
- アロマディフューザー『Lovaroma(ラバロマ)』
- 「心と身体に活力を与えるウェルネスブランド」、『KEEWEY(キウイ)』
結婚、出産、離婚を機に、デザイナーから貿易家へ
―― まず、2025年4月に法人化されたとのこと、おめでとうございます!!!
ありがとうございます。「心(ここ)にある感覚を、信じて選べる社会をつくる」という理念を軸に、プロダクトや空間を通じて、“「心地いい」がある体験”をお届けする「ここ株式会社(K O : K O)」を設立しました。
―― 本日は法人化に至るまで、どのような道のりを歩んでこられたのかお聞きしたいです。現在は貿易業一本ですか?
今は貿易業だけを行なっています。
大学在学中にグラフィックデザインを始めて以来、デザインの仕事を続けていました。でも、途中でコロナ禍になり、さらに結婚・出産・離婚と立て続けにいろいろな出来事がありました。
ちょうどその頃、AIの進化が加速していて、グラフィックデザインの未来についても考えるようになったんです。
これからは子育てしながらでも、もっと稼げる仕事をしたいと考えた時に、大竹さんの黄色い本『輸入ビジネス3.0』を本屋で見つけて、「やってみたい」と思ったのがひとり貿易塾に入塾したきっかけです。
海外商品を日本向けにリデザインして販売することができれば、これまで培ってきたデザインのスキルを活かせると思いました。
世の中はすでに物で溢れているからこそ、「すでにあるものをリデザインする」という考え方がしっくりきたんです。
できる人の中に身を置けば、自分もできる人になる
―― はじめての貿易業、不安はありましたか?
不安はあまり感じませんでした。
塾には、一緒に学ぶ仲間だけでなく、講師や卒業生など、すでに成果を出している人がたくさんいます。
「できている5人に囲まれて生活すれば、自分もできるようになる」という、いわゆる“5人の法則”がありますよね。だから、その環境に飛び込むことが大事だと思っているからです。
もちろん、最初は聞き慣れない単語も多く、「本当にできるのかな?」と思うこともありました。でも、目の前には当たり前のように実践している人がいて、質問すれば丁寧に答えてくれる。複業として貿易業で成果を出している人も多く、成功者の姿を間近で見ることで、「私にもできるはずだ」と思えました。
―― ひとり貿易塾は、同期だけでなく卒業生との交流も多かったのですか?
展示会を一緒に回るツアーなど、卒業生とお会いできる機会もたくさんありました。
一歩先を行く方たちの体験談を聞くことで、「みんな同じように悩むんだ」と思えたし、悩みを乗り越えて成果を出している姿に、何度も勇気をもらいました。
香港展示会で工場とつながる。日本向けのブランディングを一任
―― 今取り扱っている商品について教えてください。
現在は、香港の展示会で見つけた『Lovaroma(ラバロマ)』というディフューザーを販売しています。

当時からインテリア雑貨をメインに扱いたいと考えていて、ディフューザーは空間に香りという大切な要素をプラスできるもの。デザイン性も優れていたので、見た瞬間に「これだ」と感じました。
私がやり取りしているのはメーカーというより工場です。「ブランディングはそちらでお願いします」というスタンスだったので、日本でのブランド作りをまるっと私たちで行なっています。
―― 独占販売権の交渉はスムーズに進みましたか?
商談は海外商談スペシャリストの林さんにお願いし、終始円滑に進めていただきました。私はほとんど見ているだけでしたが、必要な場面ではしっかり決断できるようサポートしていただきました。
そのおかげで、展示会の場で話がまとまり、サンプルを持ち帰ることができました。
―― 貿易未経験という点で、海外メーカーにマイナスな印象を与えることはありませんでしたか?
大竹さんやひとり貿易塾の実績を提示できたこと、展示会に臨む前に「メーカーにはこう伝えると良い」と具体的なアドバイスをいただいていたので、未経験が不利にはなりませんでした。さらに林さんの商談サポートも心強く、安心して交渉に臨めました。
「探せば必ず見つかる」ポジティブ思考に磨きがかかったひとり貿易塾での学び

―― クラウドファンディングを終えてから、一般販売には進んでいますか?
現在は自社サイトのほか、ビックカメラさんやヨドバシカメラさんの店頭でも販売しています
「クラウドファンディング後の最低ロットは1000個から」と最初は工場から言われましたが、林さんが交渉してくださり、300個まで減らすことができました。
また、クラウドファンディングである程度の販売実績が出せた上での仕入れだったので、心理的な負担はそこまで感じませんでした。
―― 蘭さんは東京ギフトショー以外にも、ご自身で展示会に出展されていますよね。やはり展示会でバイヤーさんに直接会うことは大事ですか?
展示会では、興味を持ってくれた方に商品を手に取ってもらえます。その場で直接ビジネスにつながる話ができるので、費用対効果も高いと感じています。
一方で、最初はメール営業も試しましたが、反応がほとんどありませんでした。先輩からも「1000件送って1件返ってくるかどうか」と聞き、メール営業の難しさを実感しました。
―― メールだと開封までの壁がありますよね。今はOEMにも力を注いでいらっしゃるのでしょうか?
今年からはディフューザーやアロマオイルを企業向けにOEMで製造・販売する取り組みを始めています。法人向けのノベルティ案件にも力を入れています。
物販市場には多くの企業が参入しており、とくに資本力のある大手企業は圧倒的な強さを持っています。その中で自社商品を選んでもらうには、ブランディングや商品開発に時間や資金を投じる必要があります。だからこそ、OEMで安定した収益を確保しながら、その資金を自社ブランドの成長に投資する。そんな戦略を描いています。
―― ラバロマではディフューザーだけでなく、アロマオイルも取り扱っているのですね。
ラバロマは「空間に香りを取り入れることを当たり前にしたい」という思いで、空間のクオリティ向上をサポートできるブランドを目指しています。
そのため、今後はディフューザーだけでなく、アロマオイルやエッセンシャルオイルのラインナップを充実させ、定期便にも挑戦していく予定です。現在は「和精油」の工場とつながり、商品企画の段階から関わっています。将来的には「和精油」を海外へ広げていくことも目標にしています。
―― オイルの工場はどのように見つけたのですか?
インターネットで条件に合う工場を見つけました。ひとり貿易塾で学んだおかげで、「探せば必ず見つかる」という発想が身についたことが大きいです。
国内メーカーに販売拠点を提供したい「KEEWEY(キウイ)」
―― ラバロマ以外の商品のお話も伺いたいです!
「KEEWEY(キウイ)」という電動プロテインシェイカーを取り扱っています。これも香港の展示会で出会った商品で、クラウドファンディングを経て一般販売に至りました。

今後は「KEEWEY」を、さまざまなウェルネス系雑貨を扱うブランドへと育てていきたいと考えています。貿易家の活動を通して、多くの日本メーカーが販売先を探していることを知ったからです。
具体的には、自分が応援したいメーカーさんの商品を卸のような形で「KEEWEY」のオンラインストアに掲載し、販売していく構想です。海外製品だけでなく、日本の優れた商品も取り扱い、ページ作成から販売までを一貫して担う。そんなブランド展開を目指しています。
自身の成長が継続のモチベーションに

―― ひとり貿易に興味を持たれている方は、継続してビジネスを続けたいという方が多いと思います。蘭さんの継続の秘訣を伺いたいです。
分からないことを一つずつ乗り越えるたびに達成感や成長を実感でき、それが継続の力になっています。売上や数字が少しずつ伸びていることも、大きな励みです。
また、業界で活躍している人と積極的に会うようにしています。刺激を受けることで、自分の視野やレベルが自然と引き上げられて、モチベーションの向上につながっています。
大竹さんがよく「やり続ける人が強い」とおっしゃっていますが、本当にその通りだと思います。クラウドファンディングでは一気に成果を出す人もいますが、一般販売は続けてこそ結果が出るものだと実感しています。
―― 蘭さんのお話を聞いていると、関わる人ってすごく大切だなと感じます。
よく「類は友を呼ぶ」と言いますよね。自分がどうありたいかを考えて、そのイメージに近い人に会いに行く。そこで受けた影響が、自分の行動や考え方を変えていきます。
だから、貿易を始めたいならまずはコミュニティに入るのが一番の近道だと思います。人とのつながりから思いがけない情報やチャンスが集まってきますし、お互いに還元し合うことでみんなで成長していける。私自身も、誰かに還元できる存在でありたいと思っています。
―― これまでの挑戦の中で、特に大変だったことは何でしたか?
数字が苦手なので、物販に欠かせない財務管理が本当にきつかったです。数字と向き合いたくなくて泣いたこともあります。でも塾には、つまずいたらすぐ相談できる環境があって、丁寧にアドバイスしてもらえたので乗り越えられました。
今はAIもあるので、ChatGPTに聞いて解決することもあります。挑戦しやすい、いい時代になったと感じます。
―― ひとり貿易塾でも、チャットで質問することは多かったですか?
最初の頃は分からないことばかりで、しつこいくらい質問していました。学べる機会があるのだから、とにかく貪欲に動こうと思ったんです。
売れている人を見ていると、値引き交渉も上手で、「言うだけはタダ」というマインドから学ぶことも多くありました。言わずに後悔するより、やってみて後悔したほうが前に進める。そう考えて挑戦を重ねてきました。
やるべきことを継続する。苦手な部分は人に任せる。ビジネスマインドが身についた
―― ひとり貿易塾に入ったことで、成長を感じたことを教えてください。
成功している大竹さんや林さんを見て気づいたのは、「自分に厳しく、やるべきことをきちんと継続している」という共通点です。さらに、自分の得意・不得意を把握し、できないことはできる人と組む。その姿勢にも大きな学びがありました。
法人化する前は、ほぼ一人で事業をしていましたが、今は業務委託やアルバイトを含めて4人ほどの体制になっています。苦手な部分はできる人に任せることの大切さを日々実感しています。
また、取引先とのやり取りや財務管理を通して、「どうやって利益を出すか」というビジネス視点も少しずつですが身についてきました。
生活面では、子どもが「これはママのお仕事の商品だよね」と言ってくれたり、購入者のレビューで感謝の言葉をいただいたり。自分の仕事が誰かの喜びにつながっていると実感できることが嬉しいことです。
人生は意外と短い。行動したもの勝ち

―― これからは、どんな働き方や生き方をしていきたいと考えていますか?
私は、自分のやりたいことを見つけて、好きなことで社会に貢献していきたいと考えています。
ママであっても夢を諦めず、やりたいことを探し続けて全力で取り組む。そして、毎日楽しそうに働いている姿を子どもに見せることが、何よりの教育になると思っています。
―― 最後に、未来の貿易家にメッセージをお願いします。
今はAIが急速に進化し、「安定」と言われてきた仕事でもなくなる時代。だからこそ、誰かの役に立てる自分の好きなことを、どう見つけるかが大切です。
私は貿易塾に入って、自分の好きなことに出会えました。まずはやってみること。もし「違うな」と思ったら、次に進めばいいんです。人生は意外と短いからこそ、早めに挑戦して“やったもん勝ち”の気持ちで動くことが一番だと思います。