夫婦で日本総代理店に挑戦!会社員から貿易家になり「推しとお仕事」

貿易実務の会社員から貿易家へ転身した小寺さん。
初めての商品『骨伝導スリープスピーカー』は総額1,400万円超え!今では『NANOBAG』の総代理店も務める、貿易会社の社長に。
プロジェクトを経験して学んだことは、「売れるもの」と「好きなもの」は必ずしも一致しないということだといいます。
「まずはやってみよう」の精神で、貿易ビジネスを展開中の小寺夫妻に、夫婦で貿易家に挑戦したきっかけやクラファン物販の実績、今後の目標などを伺いました。
ひとり貿易塾8期 小寺さん
貿易実務に携わる会社員としての経験を経て、現在は貿易会社『TAM ERA TRADING JAPAN LLC』の代表に。人気エコバッグ『NANOBAG』の日本総代理店も務める。会社員のご主人と二人三脚で貿易ビジネスに取り組んでいる。
小寺さんの商品はこちら▼
骨伝導スリープスピーカー
会社員から貿易会社の代表に
—— 今の働き方を教えてください。
小寺さん:貿易家になってから会社員を辞めて、自分の会社を設立しました!以前はメーカーで貿易事務をしていました。
—— 貿易家になりたいと思った理由を教えてください。
小寺さん:大学進学と就職で8年ほどニュージーランドに住んでいました。
帰国後も「海外とつながる仕事がしたい」という気持ちはずっとあって。加えて、コロナ禍で人との関わり方を見直すようになり、「このままメールのやりとりだけで終わる事務仕事を、何十年も続けていくのかな……」という漠然とした不安が湧いてきたんです。
そんな時に、夫から『1日で1000万円売り上げるクラファン物販の教科書』を勧められて、ひとり貿易塾の存在を知りました。本を読んだ翌日にちょうど説明会があることを知って、「これは行くしかない!」とすぐに申し込み、夫と一緒に参加しました。
—— 説明会で印象に残っていることはありますか?
ご主人:実は他の貿易系セミナーにも参加したことがあるんです。でも、そこは概要だけで、何をどう始めたら良いのかが分からなかったんですよね。でも、大竹さんのセミナーでは、「何をすべきか」がすごく具体的に示されていました。
小寺さん:正直、大竹さんって背も高くてスーツもバシッと決まってて、デキすぎててちょっと怪しいかも……って最初は思いました(笑)。でも、実際に話を聞いてみると、手の内を全部見せてくれるような誠実さを感じました。セミナー後に個別で話す機会もあって、そのときに「この人を信じてみよう」と思い、入塾を決めました。
初めてのクラファン「骨伝導スリープスピーカー」で総額1,400万円を達成!

—— 記憶に残っているプロジェクトを教えてください。
ご主人:最初の商品「骨伝導スリープスピーカー」です。就寝前に音楽やラジオを楽しむ方向けに開発した、枕の下に設置して音漏れを気にせず聴けるスピーカーです。
この商品があれば、イヤホンをつけっぱなしで寝てしまっても耳が痛くなることもないし、隣で寝る人を気にせずに、好きな音楽やラジオを聞くことができます。
この商品は、ひとり貿易塾に入ってすぐに行った深圳の展示会で見つけました。過去に販売実績がある商品ですが、最近はあまり見かけなくて。でも、「睡眠」関連のニーズは根強いので、これは売れる!と思いました。
—— ご主人がこの商品を見つけてきたとき、どう思いましたか?
小寺さん:正直「何これ?!これいる?」って思っちゃいました(笑)。というのも、夫は眠りが浅いタイプですが、私は布団に入ったら秒で寝られるので、必要性をあまり感じなかったんです。
でも、クラウドファンディングでは第1弾(machiya)で580万円、第2弾で860万円、合計で約1,400万円のご支援をいただきました。 多くの方に支持いただき、「ニーズがあるんだ」と実感しました。

—— このプロジェクトで苦労したことを教えてください。
小寺さん:販売するプラットフォームの選定が一番難しかったです。
ご主人:Makuakeでは過去に骨伝導スピーカーが売られていましたが、最近は見かけなくなっていたので、「もう需要がないのかな?」と不安になって。
販売前に東京ギフトショーに出展し、そこでクラウドファンディングの関係者に聞いてみたら「骨伝導スピーカーは最近はあまり売れてないですね……」と。でも、当時の私たちにはこの商品しかなかったし、「やっぱりこれをやりたい!」という思いがありました。
Campfireか、machiyaか……と迷っていたところ、ひとり貿易塾の内海さんから「ガジェット系ならmachiyaがいいんじゃない?」とアドバイスをいただき、machiyaで販売することにしました。
—— プロジェクトを終えて、海外メーカーとの関係は変化しましたか?
小寺さん:海外メーカーさんにとっても初めての海外展開、私たちにとっても初めてのクラウドファンディングでした。
結果を数字で残すことができたので、今は対等なパートナーとしてやり取りができています。
『NANOBAG』の日本総代理店に

—— 次に取り扱った商品について教えてください。
小寺さん:私たちの二つ目の商品は『NANOBAG』という手のひらサイズのエコバッグです。日本総代理店になりました!
たたむとすごく小さいのに、広げるとかなりの大容量。一番小さなマイクロサイズでも30kgの耐荷重があって、第三者機関の検査もクリアしている信頼性の高い商品です。
—— 『NANOBAG』とはどこで出会ったのですか?
小寺さん:骨伝導スリープスピーカーの次の商品がなかなか見つからず、藁にもすがる思いで大竹さんが開催したスパルタ合宿に参加したんです。そこで『NANOBAG』を見つけた瞬間、「これ、めっちゃ好き!」ってビビッときました。私はガジェット系よりも、可愛い雑貨が好きなんだなと再認識しました。
ご主人:実は『NANOBAG』は7年ほど前に日本に上陸していて、当時は別の方が総代理店をされていたそうです。テレビや雑誌にも取り上げられ、マルイやロフトなどでも販売されていた実績があります。
小寺さん:私が海外メーカーにメールを送ったタイミングが、ちょうど前任の総代理店契約が切れた頃だったようで、話がスムーズに進みました。
—— 交渉は自分でされたのですか?
小寺さん:交渉はひとり貿易塾の林さんにお願いしました。
もともとは、『NANOBAG』のリュックタイプをクラウドファンディングで販売したいという相談だったのですが、メーカーから「総代理をやってみませんか?」と逆提案をいただいて。林さんのおかげで、交渉もとてもスムーズにまとまりました。
今はクラウドファンディングの実行準備中ですが、メーカーさんからも期待していただいていて、手厚いサポートを受けています。そのぶん、「期待を超えていかなきゃ」というプレッシャーも大きいですね。
全国各地にいる貿易家の仲間。心配性だけど「まずはやってみよう」と行動できるように

—— 入塾前と入塾後でギャップはありましたか?
同じ8期生でもスタート地点が全然違っていてびっくりしました。
私が入塾した時には、すでに海外展示会に行っていたり、商品を見つけていたり、もうすぐクラウドファンディングが始まるという人もいたんです。
みんなで一緒に商品探しを始めるのだと思っていたので、周りのスピードに圧倒されました。最初はチャットグループでも、みんなが次々と質問するなか、自分だけ取り残されているような気がして。
でも、東京ギフトショーなどで実際に会う機会があり、「ここが大変だったよね」とか「こう乗り越えたよ」と話せるようになって、今では心強い仲間たちです。
特に私は関西在住なので、関西メンバーとは月に1〜2回は会ってますし、LINE電話で顔を見ながら話すこともあります。みんな優しくて、体験談や情報を惜しみなくシェアしてくれる人たちばかり。だからこそ、私も自分の経験を積極的にチャットで発信しています。関東・関西・九州・東北とエリアを越えて、いつでも連絡が取れる仲間がいることが、本当にありがたいです。
—— 講師からのアドバイスで印象に残っている言葉はありますか?
ご主人:僕は骨伝導スリープスピーカーを見つけたときに、「自分が好きなものよりも、お客さんが求めているもの、ニーズがあって売れるものをしっかり見つけようね」と言われたことを今も意識しています。
小寺さん:私が心に残っているのは、「“推し”とお仕事をする」という佐多さんの言葉です。『NANOBAG』の創業者は、ドイツ人のウルサスとノルウェー人のルネという2人なのですが、どちらもとても優しいんです。私は“ウルサス推し”で(笑)、毎日のようにメールのやりとりをしています。
—— ひとり貿易に挑戦してから何か変化はありましたか?
小寺さん:私はすごく心配性で、ついグズグズ言ってしまうタイプなんです。でも貿易家になってからは、やってみないとわからないから、まずは行動してみよう!と、いろんなことに挑戦できるようになりました。
特に、骨伝導スリープスピーカーの経験を通して、「売れるものと、自分の好きなものは必ずしも一致するとは限らない」ことを実感したことが大きかったです。
夫はいつも「できるよ」と背中を押してくれて、本当にありがたい存在です。
推しと出会い、世界と日本をつなげる存在に

—— 今後の目標を教えてください。
これからも国内外の展示会をまわって、新しい商品を積極的に探していきたいと思っています。
今は、骨伝導スリープスピーカーを軸に、睡眠関連のブランドを確立すること、そして『NANOBAG』をリブランディングしていくことが大きな目標です。
『NANOBAG』は第1弾のクラウドファンディングを控えているので、しっかり準備して、より多くの人に届けていきたいです。ラインナップも少しずつ増やしていって、私たちの社名の由来でもある『travel and meets era』の時代を切り拓けたらなと。
昨年ひとり貿易塾を卒業しましたが、貿易家としてはまだスタートラインに立ったばかり。これからも学びを重ねながら、自分が「推したい」と思える人やものと心豊かにつながって、世界と日本をつなぐ存在になりたいです。