「人生を変えたい」会社員からの挑戦。日本を旅するYouTuber×貿易家

ひとり貿易塾を卒業した後はどうなるの？

貿易家の「今」を取材しました。

4年前、工場勤務をされていた田中さんは「人生を変えたい」とひとり貿易塾に参加。

今では、軽バンで日本中を旅する「YouTuber」と、海外の魅力的な商品を輸入販売する「貿易家」を掛け合わせた「Youtuber 貿易家」として日々活躍されています。

そんな田中さんに、YouTubeを始めた理由から、1日のスケジュール、メーカーさんとの絆を深めるコツなど……気になるお話を伺いました。

日本全国を旅しながら貿易ビジネスを行う

—— 今はどのような働き方をしているのでしょうか？

現在、軽バンで日本中を旅するYouTuberを運営しながら、貿易家としても働いています。割合としては、貿易業が6割、YouTubeが4割です。

貿易家の仕事ではメーカーとのやりとりが多いので、テザリングを使って車の中で作業をしています。

—— 1日のスケジュールを教えてほしいです。

朝起きて動画の撮影をして、そのまま編集作業に入ります。その合間に貿易の仕事を行っている感じです。

移動中は、メールや電話をこまめにチェックして、すぐに対応できるようにしています。

—— 会社員を辞めて貿易家になってから、どうしてYouTubeにも挑戦しようと思ったのでしょうか？

YouTubeを始めようと思ったきっかけは、「新しいことにチャレンジして、僕を超えるようになってほしい」という大竹さんの言葉です。その言葉が心に響き、YouTubeをやってみることにしました。

大竹さんに出会い、貿易家になって、今はこうして日本中を旅しながら仕事ができている。今の生き方に幸せを感じています。

原動力は「メーカーさんの期待に応えたい」

—— 田中さんが貿易家になられたのは4年前ですよね。今は何社のメーカーさんとお付き合いがあるのでしょう？

お付き合いがあるのは1社のみで、そのメーカーさんとは4年の付き合いです。新商品が出る際に声をかけてくれたり、商品開発に携わらせていただいたり、深いお付き合いができています。

—— 1つのメーカーさんと深く付き合っていく。素敵ですね。メーカーさんと良好な関係を築くコツはありますか？

最初は何がなんでも結果を出すという一心でやっていました。そのためにも、メールのレスポンスを早くしたり、メーカーさんに熱意を伝えたり、自分ができることを最大限しようと心がけていました。

—— メーカーさんとのやりとりで記憶に残っていることを教えて欲しいです。

嬉しかったことは、昨年9月に韓国で行われた商談会に招待いただき、メーカーさんに初めてお会いできたことです。その際、「出会ってから今まで熱意を持って製品を販売してくれてありがとう」と感謝の言葉をいただき、肩の荷が下りました。

僕は英語が得意ではないのですごく緊張していたのですが、一緒に食卓を囲んだ時に「もう僕たちは家族だ」と言っていただき、涙が出るほど嬉しかったです。

—— 長く続けていると良いことだけではなく、大変なこともあったのではないでしょうか。

売れない時期もあり、メーカーさんに申し訳なく感じることもありました。

結果が出なかった時には、「もう辞めた方が良いのかな……」と思ったことも1度だけあります。しかし、ここで辞めたら何も残らないと思い、僕のことを信頼してくれているメーカーさんのために頑張ろうと立ち上がりました。

メーカーさんの期待に応えたい、信頼してもらいたいという想いが、僕が進んでいく原動力になっています。

—— 貿易ビジネスの進め方についても教えてください。外注化していることはありますか？

最初の頃はページ作成なども自分でやろうとしていましたが、センスがなくて。今はページ作成や広告は、貿易塾で紹介いただいたプロの方にお願いしています。また、旅に出ていて自分で対応するのが難しいため、国内外の配送も外注しています。

—— 貿易家としての経験を重ねていくことで、変化したことや学んだことを教えてください。

現在はメーカーの商品開発にも携わっているので、これまでよりも日本市場を分析するようになりました。

各国によって好まれるデザイン、形、大きさは異なります。日本ではどのような商品が求められているのかを調査してメーカーさんに共有しています。

—— 日本市場を探るために、どのような調査をしているのですか？

クラウドファンディングやECサイトではどのような商品が売れているのか、ありとあらゆるサイトをリサーチしました。また、家電量販店に足を運び、売れている商品を細かく分析することもあります。

3回目の東京ギフトショー。新製品コンテストで準大賞を受賞

—— 東京ギフトショーには3回出展されていますよね。

3回とも同じ虫除け商品を展示しました。最初から多くのバイヤーさんからお声がけいただいたのですが、虫除け商品の効果や効能についての正式なエビデンスを提示できず、大きな契約には繋がりませんでした。

そんな時、貿易仲間から「国内でも効果の実証データを得ることができる」と助言をもらい、すぐに行動に移したのです。その結果、無事にエビデンスを取得することができました。得られた証拠を携えて3回目の東京ギフトショーに出展したところ、多くの企業と契約を結ぶことができました。おかげさまで一般販売にも繋がっています。

—— 東京ギフトショー春2024では新製品コンテストで準大賞を受賞されましたね。その時を振り返って、気持ちを聞かせてください。

あの時は、まさか自分が受賞するとは思っておらず、正直びっくりしました。

展示の見せ方やモニターを付けるなど、自分ができる最大限の工夫をしていたことが実を結び、受賞できたことを嬉しく思います。

メーカーさんも準大賞の受賞を本当に喜んでくださり、とても嬉しかったです。

日本中を旅しながら貿易で世界と繋がる

—— 貿易家になった4年前と今では、暮らし方や考え方に変化はありましたか。

4年前は工場勤務をしていて、好きなことを仕事にするという発想はありませんでした。ある日、偶然立ち寄った本屋で大竹さんの著書『輸入ビジネス3.0』に出会い、それを読んで大きな衝撃を受けました。そこから私の人生は大きく変わりました。

今では、日本中を旅しながら世界と繋がる仕事ができていることを、本当に幸せに思っています。

—— 今後の目標を教えてください。

貿易家としての目標は、メーカーさんの想いに寄り添い、継続的に商品を販売していくことです。

YouTubeに関しては、まずは登録者10万人を目指して活動しています。

僕は「年齢に関わらず、好きなことや楽しいことをして生きていきたい」と思っています。日本中を旅しながら貿易ビジネスをしている自分の生活スタイルを発信することで、多くの人にそのメッセージを伝えていきたいです。