「好き」を大切に事業売買を目指す。貿易と建設、どちらも全力投球で!
このご時世、経営を安定化させるために、既存事業に加えて新たな分野に挑戦される経営者も少なくないでしょう。
今回ご紹介するのは、建設事業の第二の柱として、貿易に挑戦された社長の日下部さんと右腕としてご活躍される吉田さんのお二人です。
どんな想いで貿易に挑戦したのか、新たな一歩を踏み出したことでどんな変化が現れたのか、お話を伺いました。
建設業と貿易業、どちらも全力で!
—— 今の働き方を教えてください。
日下部さん:東日本大震災を機に、地元である福島に帰り、復興作業をするために建設会社を設立しました。その事業の別部門として2022年から貿易事業をはじめました。建設業も貿易業もどちらも全力です!
—— 建設業をされながら、貿易ビジネスをはじめた理由は何でしょうか?
日下部さん:復興事業は仕事量に波があるんです。手の空く時期に何かできることがないかをずっと考えていました。また、建設業は体力仕事なので、歳を取ったり、体を痛めたりして、仕事をするのが難しくなった従業員の受け皿になれるよう、インターネットを使った事業をしたいと思いました。
実は、建設業をやる2〜3年ほど前に、転売ビジネスをやっていまして。全く新しいことに挑戦するよりも、経験があることの方が結果が早く出せると思い、貿易ビジネスを選びました。
—— ひとり貿易塾に入塾した決め手は何でしょう?
日下部さん:10年ほど前、転売をやっていた時に、大竹さんのセミナーに参加したことがあるんです。その時に、すごい魅力的な方だと感じ、大竹さんから学びたいと思いました。ネットだけではなく、海外の展示会に行って商品を探すビジネスモデルに、自分が思い描く未来と近いものを感じたんです。
業界内でも「大竹さんの塾はすごい手厚いよ」と話を聞いていたので、入塾を決めた上で、ひとり貿易塾のセミナーに参加しました。
—— 貿易事業は社長の日下部さんと、従業員の吉田さん、お二人でされているのでしょうか?
日下部さん:そうですね。自分たちはもともと同級生なんです。建設業は自分が代表、吉田さんが従業員という形です。貿易事業は、対等な立場でやっています。
—— 吉田さんは物販の経験があったのでしょうか?
吉田さん:私はずっと土木の現場にいたので、貿易の知識は0でした。社長が「貿易をやる!」と言うので、「頑張ります」と。笑
右も左も分からない状態からのスタートで、最初は本当に苦労しました。もちろん今でも大変なこともありますが、わからないことは調べながら楽しくやっています。
「好き」を大切に商品を選ぶ
——これまで3商品のクラウドファンディングを実施されていますよね。商品リサーチはどのようにしていますか?
日下部さん:効率的に商品リサーチを進めるために、気になる商品をリスト化してから、国内未発売の商品を洗い出し、一気にメールを送るようにしています。
吉田さん:海外メーカーの連絡先を探すのが結構大変でした。メーカーの名前を1つずつ検索して、FacebookとかInstagramのページに行くと大体メールアドレスが載っています。中にはカスタマー向けのメールアドレスが掲載されていることもあるのですが、メーカーと繋がる可能性はあるので、気にせずに送りました。
日下部さん:個人的には、メーカーのYouTubeを検索して、概要欄から連絡先を探すのがおすすめです。そこからメッセージを送ると返信率が高い気がしています。
——メールの文面で工夫したことはありますか?
日下部さん:普通のテンプレートメールから、ポエム風に商品を褒めたたえる文章、「あなたの商品を私たちは本気で販売したい!」と情熱を伝えるもの、いろいろなメールを送りましたよ。
結果的には、軽いメールを送った方が返事が返ってきやすいと思います。「私たちは日本でこんなことをやっています。日本での販売に興味はありますか?」みたいな感じで。そうすると相手も気軽に返事をくれるので、チャットのようにやりとりをしていきます。
—— なるほど!短い文章で送った方が、受け手も気軽に返事ができるのかもしれないですね。商品のジャンルは絞っているのでしょうか?
日下部さん:今は自分たちが好きなガジェット系に絞っています。自分が興味が持てないジャンルだと、その商品の本当の良さがわからないと思うので、自分たちがときめくものを選びたいですね。
—— ガジェット系の商品は法規制が厳しく、検査が大変なイメージがあります。
日下部さん:今のところは法規制に触れる商品を取り扱っていないので、特に苦労はしていません。ガジェット系の商品が増えるに連れて、検査の申請が複雑だったり、費用がかかったり、これから大変なことはあるかもしれませんね。
ただ、ガジェット系の商品は大変だからこそ、競合が少なくて狙い目だと思っています。
—— 将来的に扱ってみたいジャンルはありますか?
日下部さん:筋トレが趣味なのでトレーニンググッズは興味があります。あとはキャンプ用品ですね!キャンプは全然やらないのですが、富士山の麓にあるキャンプ場に行ってみたくて。大好きな富士山を眺めながら、自分の商品を使ってキャンプを楽しめたら、最高ですよね。
やっぱり「好き」が大切だと思うんです。好きじゃないと気持ちが途中で萎えてしまうと思うし、そうなると売り上げも伸びていかないかなと。
吉田さん:社長はいつも「好きなものなら情熱を持って取り組めるでしょ」「確かに売れるものもあるけれど、自分たちは好きなものを販売していこう」と言ってくれます。
日下部さん:貿易は取り扱う商品を自分で選べるのがいいですよね。建設業は自分の好きなようにはできないので。
トラブルを乗り越え、1,860万円の支援金を達成
—— クラウドファンディングで1,800万円超の支援金を集めたドライブレコーダーについて教えてください。この商品はどちらで見つけたのでしょうか?
日下部さん:GREEN FUNDINGやMakuakeで市場調査をする中で、ドライブレコーダーが売れていることに気がつき、海外のAmazonでドライブレコーダーをリサーチしました。それで口コミが良くて、目を引いたのがこの商品でした。メーカーにメールを送ったら「では、やりましょう!」と快諾いただけました。
—— 独占販売権はスムーズに結べたのですね。プロジェクトを実行する上で、どんなことが大変でしたか?
日下部さん:当初はMakuakeでプロジェクトを実行する予定でしたが、審査に落ちてしまって。ガジェット系に強いGREEN FUNDINGでプロジェクトを実施できたので、結果的には良かったのですが。
あとは、メーカーからの提供写真が少なかったので、商品ページに載せる素材を自分たちで撮影するのが大変でした。
スクリーンに映る画像の美しさを伝えたかったので、通常のドライブレコーダーとWOLFBOXG900を1台の車に両方取り付けて比較動画を作成しました。きっと取り付けをお願いした車屋さんには、不思議がられたと思います。笑
さらに、複数のプロジェクトを同時に進めていたため、スケジュールの調整にも苦労しました。WOLFBOXG900は単価が高いので、消費者の購買力が高まる年末にリリースしたかったのですが、他のプロジェクトも忙しくなり、思うように進められなくて。結果的に、独占販売契約を結んでから半年後、しかも東京ギフトショーの真っ最中にプロジェクトを開始しました。
さらに、これまでやりとりをしていたメーカー担当者が突然退職して、呆然としたこともあります。笑
自分たちは商品リサーチが比較的スムーズに進んだ分、プロジェクトを実行するまでに苦労することが多いですね。
—— 他のプロジェクトでも何か苦労があったのですか?気になります!
日下部さん:スマホグリップでは、商品ページも完成して、プレローンチを行っているときに、「状況が変わった。僕はもうやりたくないんだ。生産する工場を紹介するからあとは自分たちでやってくれ」とメーカーのモチベーションが下がってしまって。話を聞くと、生産する際のMOQが大きく、悩んでいたようです。
—— その状況をどうやって解決されたのですか?
日下部さん:何か打開策があるだろうと思い、諦めずに説得を続けました。
「クラウドファンディングで○○台売れたら、この位の利益が出るよ」
「一般販売に繋がれば、絶対に人気が出る商品だから、一緒に頑張ろう!」
日本の写真を添付して「近い将来日本にも来て欲しい」
など、メーカーにとってのメリットを伝えました。
最終的には、ひとり貿易塾の林さんに入ってもらい、直接工場と交渉をして、MOQを下げてもらうことに成功しました。そうしたらメーカーもすごい喜んで「じゃあ、やるしかない!」となりました。
—— メーカーにとっては、製品のMOQも下げてもらえて、日本でも販売してもらえる。かなり嬉しい話ですよね。
日下部さん:そうですね。「もうやらない」と言っていたメーカーが、結局は自国で販売するために追加で発注していました。笑
吉田さん:あれはびっくりしましたね。笑
コンパニオン作戦で300名を超えるバイヤーと名刺交換
—— 東京ギフトショーにも出展されていましたよね。
日下部さん:たくさんの方が自分たちのブースの前で足を止めてくれて、WOLFBOXG900を見た方からは「映像がめちゃくちゃ綺麗だね」と嬉しい声をいただきました。
リアルで見てもらうことで、魅力がより伝わる商品もあるんだと学びました。
—— 日下部さんと吉田さんのブースは、ひっきりなしにお客さんが来ていましたね。
吉田さん:他の人たちと同じことをやっていてはだめだと思い、コンパニオンの方に人を集めてもらい、商品の説明は自分たちでしようと作戦を立てました。
—— コンパニオン効果はありましたか?
日下部さん:効果は抜群でした!コンパニオンの方が頑張って人を集めてくれて、300名を超える方と名刺交換ができました。
吉田さん:今回、10社ほど見積もりをとってコンパニオンを決めました。良いと思った方はすぐに埋まってしまいます。コンパニオンを探すときは、良い子を見つけ次第すぐに予約することをおすすめします。
質問できるのは生徒の特権!
—— ひとり貿易塾のサポート体制はいかがでしたか?
日下部さん:受講期間中はいつでも質問ができる環境なので、それを大いに使って、知らないことをバンバン質問しました。講師陣は生徒一人ひとりのレベルに合わせて、しっかりフォローしてくれます。できない人に優しくするって、本当にその人のことを思っていないと、なかなかできないと思うんです。ひとり貿易塾はフォローが手厚いからこそ、結果を出す方が多いのだと感じています。
吉田さん:チャットを見ていると、本当にたくさんの質問が飛び交っているんです。講師陣の方は、どんなに些細な質問にも、問題が解決するまで丁寧に回答してくれています。しかも、返信が早い!この対応は本当にすごいと思いますね。
—— 他の生徒さんとの交流もありますか?
日下部さん:同期とは、個別LINEで情報共有して助け合うことも多いです。仲間がいることで、1人じゃないんだと安心感があります。大人になると仲間を作れる場がなかなかないので、ありがたい環境です。この取材の後も同期と飲みにいきます。
思考→行動→習慣が変化
—— 貿易事業をはじめたことで、何か変化は感じていますか?
日下部さん:これまでは、現場に出て、足場を担いだり、重機に乗ったりしていました。最近は貿易業が忙しくなり、現場は従業員に任せて、自分はパソコンと向き合うことが多いです。手に持つものがスコップからパソコンのキーボードに変わりました。これは大きな変化ですね。
大竹さんが塾生に向けて「プライドは捨てろ」「とにかく行動」みたいな話をされていて。自分は経営者で人に指図を出すことが多いので、これまでは人に頼ることがあまり得意ではなかったんです。しかし、大竹さんの言葉通り、プライドを捨てて、わからないことは何でも質問して、行動したことで、結果に繋がりました。
ひとり貿易塾に入って、大竹さんの言葉を聞いて、自分の考え方が変化して、行動が変わって、そして習慣が変わってきたのかなと。
吉田さん:建設業もやりながら貿易業をやっているので、いかに効率よく業務を進めていくかを、これまで以上に考えるようになりました。
もちろん大変なこともあります。しかし、海外の方と「ハイ!マイフレンド!」みたいなやりとりをしたり、東京ギフトショーに出展できたり、今までできなかった経験をたくさんさせてもらっているので、楽しくやっています。
事業売買を視野に入れ、大きく成長していきたい
—— 今後の目標を教えてください!
日下部さん:貿易事業だけで、3億、5億、10億……と成長させて、のちには、ECサイトやAmazonアカウントの売却など、事業売却にも挑戦してみたいです。それで手にしたお金で海外に遊びに行きたいですね。
吉田さん:社長が目標としていることは、全て理解しているので、それをずっと手助けしていきたいです。あとは、海外の展示会にも足を運んで、自分の世界観を変えていきたいですね。